- 入職してのギャップはありましたか?
- 私は、他の病院の精神科も経験してきて田川慈恵病院に入職したのですが、今まで経験したどの病院の閉鎖病棟よりも患者さんが穏やかだったのは驚きました。実際仕事を始めて、スタッフの患者さんの対応を見ていると、患者さんが穏やかな理由もわかる気がしました。
- 仕事をする上で気をつけていることはありますか?
- 患者さんを“君”や“ちゃん”で呼ばないことです。患者さんの中には意志疎通ができない方もいらっしゃいますが、
自分からすれば人生の先輩ですし、一人の人間として普通の患者さんと同じように接しています。この気持ちは看護師になった当初から今も変わりません。 - 仕事のやりがいはどんな時に感じますか?
- 精神科では、内科や外科でよく見られる『入院→完治→退院』という患者さんが完治するケースは少ないんですよね。
だからこそ、レクリエーションなどを通しコミュニケーションをとることで、完治まで至らなくても少しずつ患者さんの状態が落ち着き、良くなっていく姿を見ると「自分のやっていることが役に立っているんだな。」と感じます。
- 嬉しかったエピソードはありますか?
- 看護の甲斐あって、患者さんの状態が良くなって退院する時に、「また悪くなったらここでお願いしますね。」と言ってくれたことがあったんです。本当は再入院しないことが患者さんにとっては一番良いことなんですが、「今までちゃんと看護できてたんだ。」と思えてすごく嬉しかったです。
- 病棟の雰囲気を教えてください。
- 私の病棟では、スタッフの意見をきちんと看護師長が組み上げてくれて、いろんな悩みに対して「これはこう対応しよう。」「あれはここを改善しよう。」など、解決策を出してくれるので、すごく良い雰囲気の中仕事ができています。一つひとつの問題をきちんとみんなで話すことでコミュニケーションもとれるので、連携はバッチリですよ!
- 他の病院と比べて働きやすいと感じますか?
- 実は、今までここ以外の勤務経験はないんですよ!田川慈恵病院は患者さんの入退院が激しい病院ではないので、同じ患者さんとながく関わっていくことが多いのですが、少しずつお互いのことをわかりあって、信頼関係を築いていけるここでの看護スタイルが私には合っているのかもしれません(笑)
- どんなところがいいなと思って再入職されたんですか?
- 他の病院を経験して、やっぱり働く環境が良かったなとすごく感じました。一番は、スタッフ同士の人間関係が良くて、みんなで連携がとれていたので働いていて楽しかったです。一度退職した私に声をかけていただいた前総看護師長には今も感謝しています。
- 院長はどのような方ですか?
- お若いというのもあるかもしれませんが、気さくで物腰もやわらかな方なので話しやすいですよ。病棟にもよく顔をだされていて接する機会も多く、患者さんやスタッフの事を気にかけてくださっているのがわかるので親しみやすいと思います。
- 病院周辺の自慢はありますか?
- 近くに「おおとう桜街道」という道の駅があるんですが、物産展が沢山並んでいて賑やかですし、お風呂(温泉)がすごく良いんです!ちなみに、トイレは有名な作家さんが1億円をかけて作成した豪華なトイレらしいですよ(笑)夜はイルミネーションですごく綺麗になりますし、是非一度行ってほしいです。
- 働きやすい環境ですか?
- 医療機器などの設備は大学病院と比べると整っていない部分もあると思いますが、その中でも先生方が患者さんのために一生懸命治療しているのを見ていますので、誇らしく思います。個人的には、設備が整った環境で看護するのもよいと思いますが、自ら考え工夫しておこなう看護も楽しいですし、自分で考えることで成長も感じています。
- 嬉しかったエピソードを教えてください。
- 患者さんが亡くなられた後に、ご家族の方から「感謝していると伝えてほしい。」と患者さんが言っていたと聞いて「私の頑張りをわかってくれてたんだな~。」って思ったことがあるんです。ここでは患者さんを看取ることも多いですから、患者さんにも、その家族の方にも後悔しないようにしてあげたいんですよね。だから、最期にあなたが看てくれて良かったとご家族の方から言われたら嬉しいです。
- 今後の目標は何ですか?
- 患者さんのためにも、緩和ケアの充実した病院にできたらなと思っています。また、デイケアや在宅ケアがあれば、退院後の患者さんも継続して見ることができますし、退院後も考えた看護ができるようにしていきたいです。そうすれば、長期入院の患者さんを減らすことができますし、患者さんも家にいる時間も増えて幸せだと思うんです。